石部磯浜トンネル、横坑群


旧信越本線 群馬県横川駅〜長野県軽井沢駅間


その7

  


                  2017年8月訪問

 さて、本線にもどりましょうかね。
 こう見ると、深めの退避坑の景色です。
 最後に、横坑から本坑の断面です。
 内側は馬蹄型坑門の傾き、外側にも傾きが
見られます。いやあ、細部に拘ってますねえ。
 碓氷第六隧道熊ノ平側にやってきました。
 反対側にもう次の隧道が見えています。
 
 碓氷第六隧道、熊ノ平側坑口です。
 横川側は煉瓦でしたが、こちらは切石の坑門
です。
 本当に法則が分かりません。
 引きで1枚。
 素晴らしい保存状態ですね。
 
 で、この第六隧道の手前には橋梁があります。

 これはカルバートではなく、橋梁ですな!
 分厚いコンクリで補強されていますが、それ以外は往時の姿を保っていると思います。 
 (B4)
 
碓氷第四橋梁
 24尺(約7.27m)
 明治25年11月竣功


 笠石が2重になっているのが特徴です。
 それか下のが帯石で、隙間が超狭い胸壁なの
かもしれません。
 側面には通信線を誘導すると思われる金具が
付いています。
 ここでも竪積みが確認できました。
 (カーソルオン)
 竪積みには様々なものがあるのが分かります
ね。
 内部は残念ながら分厚いコンクリに覆われてい
ます。
 上流側です。
 こちらの方が補修度合いが多いですね。
 やはり瓦礫の流入側ということが一番の要因
でしょうか。
 碓氷第四橋梁も国指定重要文化財です。
 
 アーチ径間7.3m(24尺)、高さ4.4m、頂部長さ
9.8mだそうです。
 そしてこの明かり区間にはもう一つ橋梁が存在
します。
 ここもなかなかなんですよねえ〜
 (B5)
 
碓氷第五橋梁
 
36尺(約10.91m)
 明治25年11月竣功


 第四橋梁よりも3.5m強径間の長い橋梁です。
 しかし、この橋梁も巻添をしていますねえ。
 標準は巻厚5層ですね。それが煉瓦巻添を7層
プラスし、合計
12層になっております。
 巻添の方は迫受石があるようなので、欠円アー
チということになりますな。
 両側7層分径間が短くなったと思われる第五隧
道。
 土台はコンクリっぽくなっています。塗ってる?

 下流側より。第三や第二には及ばないものの、こちらも結構な存在感です。
 巻添がさらにその重厚感をアップさせている感じがします。

 見事な煉瓦造形物。こちらも笠石2重、通信線誘導の金具もしっかり付いています。
 地震列島日本で、100年以上も威風堂々とした姿を披露する煉瓦橋梁。その強さを実証しております。
 アーチ環頭頂部、改修部分にはありませんが、
開業当時のアーチ環には竪積みが見られます。
 左右上の1個づつは、違うかもしれません。
 開業時のアーチ環と改修時のアーチ環の違い
です。開業時には迫受石はありませんが、ライズ
比が一致しているようなので、煉瓦で迫受石の
役割をしているのかもしれません。
 当然碓氷第五橋梁も国指定重要文化財です。
 アーチ径間11.0m(36尺)、高さ8.8m、頂部高さ
15.8mが開業時のスペックの様です。
 第四、第五橋梁を挟む第六、第七隧道。
 やはり碓井峠は規模が違います。
 (T7)
 
碓氷第七隧道
 延長247尺6寸(約75.03m)
 明治25年9月竣功


 久しぶりに100mを切る短い隧道です。
 で、煉瓦メインの坑門も久しぶりですな。
 ピラスターが前に迫り出している所に特徴があ
ります。
 アーチ環頭頂部にも、配線関連と思われる遺構
が見られます。
 相変わらずの精緻なフォルムに見とれてしまい
ます。
 綺麗な煉瓦色を残す75m余りの隧道。
 対岸はすぐそこです。
 振り返り。
 第六隧道と、間に二つの橋梁が挟まっていま
す。
 短くても退避坑はあります。
 あっという間に反対側。そしてかつてないほど
近くにあるお次の隧道。
 橋梁かカルバートはあるの???
 あまりにも短い明かり区間。
 しかも山手側は擁壁です。
 明細録では下水1尺(約30p)の石蓋があった
ようですが、路面が敷き直されている為に、消滅
しているものと思われます。
 この状況ではカルバート以上は望めません
ねえ。
 碓氷第七隧道の熊ノ平側坑口。
 碓氷峠シリーズでは最もシンプルな煉瓦坑門
です。ピラスターがありません。
 
 で、振り返れば次の隧道です。
 ………まさかのピンボケ…

 
(T8)
 
碓氷第八隧道
 延長300尺4寸(約91.03m)
 明治25年9月竣功


 合わせ鏡のように第七隧道の熊ノ平側坑口と
瓜二つな第八隧道横川側坑口です。
 ちょっと一服区間ですな。
 内部は綺麗に撮れました。
 全体的に保存状態は良好ですねえ。
 振り返り。
 明かり区間は一瞬でした。
 退避坑。壁面は掘りっぱなしです。
 第八隧道も100m弱。すぐに反対側に。
 隧道続きますねえ。またまた対岸の隧道と…
もう一個先に見えてますね!
 
 で、この明かり区間は大きな橋梁が控えます。
 碓氷第八隧道、熊ノ平側坑口。
 横川側との違いは、帯石があり、笠石との間の
胸壁があることですね。
 基本的にこの区間の煉瓦積みはイギリス積み
ですね。フランス積みはこの段階までみられませ
ん。

で、この明かり区間にはまた大きな橋梁があり
ますが、それはまた次回に…

 以降、 
その8 に続く!