旧信越本線 群馬県横川駅〜長野県軽井沢駅間
その6
2017年8月訪問
碓氷第10カルバートの隣には、すぐ隧道の坑 口が待ち構えています。 (T5) 碓氷第五隧道 延長799尺3寸(約242.21m) 明治25年9月竣功 ここは200mオーバー&左に曲がっているため、 反対側の光は見えません。 |
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第五隧道の内部です。 おおお!なかなか良い雰囲気です。 やっぱり暖色ライト、いいですねえ。 |
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振り返り。 第四隧道との間隔は短いです。 |
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左に流れる旧信越本線。 見る度に思いますが、鉄道軌道らしいこの流線 形になるように掘削していく技術は素晴らしいと 思います。 |
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何かしらの遺構が付いたままの退避坑。 | |
うーん、何度見ても飽きないですね。 ずっと眺めていられます。 |
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さあ! 第五隧道の熊ノ平側坑口が見えてきました! そこには、そこには、あまりにも待ち焦がれた あの橋梁がいる! 心が逸ります。 |
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遂に辿り着きました! 長い直線に高欄がずっと続きます。 一体どんなことになっているのか!? |
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と、忘れてしまう前に碓氷第五隧道の熊ノ平側 坑口を。 ここは石積みで…おお!ここには要石がありま す。この碓氷隧道群で初ですねえ。 ささやかですが、この橋梁とのコラボを意識した かのような造りです。 |
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引いて橋梁と第五隧道とのコラボです。 | |
で!橋梁は… おおおおお、想像以上に高い… 明治の半ばになんちゅうものを造り上げるん ですか(感涙) その名を… |
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(B3) 碓氷第三橋梁 (碓氷川橋梁) 4連60尺(約18.2m) 明治24年12月竣功 第四スパンハ明治28年12月 内部ニ巻添ヲナシタル為メ52尺 7寸半(約16.0m)トナレリ 第四スパンとはどこのことなんでしょうねえ。 巻添は全箇所に施工しているようなので、この 段階では1か所だけだったと推察されます。 |
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でかい!!!碓氷第二橋梁もでかいと思いましたが、こいつはまた桁違いです! あんなか観光ガイドによると、長さ91m、高さ31mです。圧倒的な巨大さです! |
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これまた凄まじい巻厚です。 最初の巻厚でもなんと8層です。そこに7層巻き足しして、合計15層です。いやあ、強烈っすねえ! |
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よく見ると頭頂部に大規模な竪積みが見られます。カーソルオンで場所を示します。 青が開業時、赤が改修時のものです。こんな大規模なアーチにも竪積みをするんですねえ。 頭頂部のみならず、アーチ環全体の所々に竪積みがあるのを確認しています。 (因みに碓氷第二橋梁にも竪積みがありました。その3に追記しております。) |
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謎の構造物ですが、営業当時の写真を拝見す ると、架線を横に流すような状態になっていまし た。 |
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上から見るとこんな感じです。 電化されてから取り付けたんでしょうね。 〜10月22日加筆〜 ももねこさんによると、通信線を架けていたので はないか、とのことでした。 この旧線区間では電化はされていましたが、2 本のレールの横に給電用のレールを敷く、第三 軌条方式というものを採用しておりました。 詳しくはWikipediaをご参照下さい。 |
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裏側に回ります。 こちら側からは全体を見通すことはできません。 |
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凄まじくぶっとい橋脚ですねえ! 補強工事の際に、橋脚も巻添えを行ったのでは ないでしょうか。 切石のでっぱりは支保工を組む際の土台にして いたのかもしれません。 |
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迫受石が左右分4個と…???な平切石が2個 確認できます。 埋まっている平切石が開業当時の支保工を組 む際の土台にしていたのかもしれません。 |
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先程のが裏なら、こっちが表ですね。 こちら側は巨大なピラスターが張り付いた状態 になっております。 |
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熊ノ平側からちょっと側面に接近できそうなの で行ってみます。 |
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!!!? 開業時巻厚の8層は変わりませんが、改修時の 巻厚が先程は7層だったのに、ここは10層になっ ています! 見直しましたが、4連アーチを横川側から確認 すると、 一、8層+7層=15層 二、8層+7層=15層 三、8層+7層=15層 四、8層+10層=18層 という状態です。何故に熊ノ平側の四連目だけ が18層なんでしょうか? 第四スパンハ明治28年12月 内部ニ巻添ヲナシタル為メ52尺 7寸半(約16.0m)トナレリ と明細録にありましたので、当初の巻添えはこ こだけだったのかもしれません。 |
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23.5層という化け物の様な巻厚となっていた碓 井第二隧道ですが、あれはやりすぎでずんぐり むっくりになっていました。 一方こちらは18層。スパンが長いこともあり、む さ苦しさは一切なく、素晴らしい景観のアーチ橋梁 の姿を維持しております。 因みに開業時のアーチにはまばらに竪積みが 確認できます。この画像では分かりにくいです が… |
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真下より。 長方形の煉瓦の組み合わせでよくもまあこんな 流線形のアーチになるもんです。 |
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〜10月22日写真追加、加筆〜 碓氷第三橋梁(めがね橋) 国指定重要文化財 土木学会選近代土木遺産Aランク 200万個以上の煉瓦を使用した国内最大の 煉瓦造りアーチ橋… 本当に奇跡の橋です。 |
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熊ノ平側から碓氷第三橋梁の天端。 いやあ、よくぞここまで…感涙ですね。 名残惜しいですが、先に進みます。 |
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碓氷第三橋梁は隧道に挟まれております。 おお、結構立派です。 |
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(T6) 碓氷第六隧道 延長1791尺11寸(約543.06m) 明治25年9月竣功 ウイング(翼壁)が立派な第六隧道。焼過煉瓦 を採用し、楯状迫石も備え、他の隧道とは明らか に意匠が異なります。 やはり第三橋梁とともにここが碓氷峠最大の 目玉として建設された模様です。 |
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これまでで最も長い543mの延長を有する第六 隧道。鮮やかな煉瓦色を留めます。 |
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振り返り。 第三橋梁に一直線です。 |
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左にカーブする隧道。 退避坑は内側にあります。 |
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さすがに長いですね。 左カーブがやや右カーブに変わります。 |
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途中、何か電燈らしくない明かりが見えると思っ たら、明かり取りが出てきました。 巻厚3層の6連アーチです。但し一番手前のは 何故か開口しておりません。 |
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「甲、乙横坑」 「第六隧道は工期短縮のため、途中からもトン ネルを掘りました。途中の沢を後で塞ぎ、穴をあけ け甲横坑、乙横坑としています。上には排煙用の 穴があいていました。トンネルの煉瓦は水に弱く、 (冬場には煉瓦にしみこんだ水が煉瓦を壊す)ま た豪雨の際トンネルに水が入り込むのを防ぐた め、トンネルをつないだものです。横坑の脇には 排水用の導管のアーチも見ることができます。 横坑は旧道からも見ることができます。」 ちょっと説明だけでは理解できない部分もあり ますねえ。 |
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これが乙横坑でしょうか。 3連アーチになっております。 排煙用の穴も開いてますね。 |
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本当にぽっかり空いてますねえ。 煙突状になってると思いましたが… 上はどうなってるんでしょうねえ。 |
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一つ、覗いてみましょう。 | |
側壁が少し斜めで、アーチ環が真っ直ぐなんで しょうか。アーチ環の上部が迫り出しています。 |
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後で旧道から見てみました。 ちゃんと見えますねえ。 甲横坑の方は見るのを忘れてました… |
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こちらも焼過煉瓦です。 笠石に該当する部分はデンティル(櫛歯)になっ てますね。 なかなかに見どころのある第六隧道です。 途中ですが続きは その7 へ! |