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程なくしてアプトの道は終わりを告げ、次のステー
ジに移行します。 |
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遊歩道の機能がなくなり、廃に戻った軌道跡に
早速暗渠が現れますが、残念ながらこの姿。
「王子久保之道橋」設計が国鉄で、昭和40年9月
竣功になっています。
これは新線の暗渠ではないかと思われます。 |
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トロッコ列車の終点駅「とうげのゆ」駅付近にかつ
ての煉瓦アーチ暗渠「C6」があったと思われます。
地図で言えばこの水路かな?とは思われます
が、現地では水路はあるもののかなり改修されて
いる感じで、怪しいポイントも一切見いだせません
でした。
この「C6」は明細録にもしっかり記載があり、
名無し8尺(約2.42m)、煉化石アーチ、明治25年
5月竣功とあります。 |
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「C6」想定地を過ぎると、中山道の橋梁を潜り、
遂に最初の隧道が登場します! |
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明細録では、
(T1)
碓氷第一隧道
延長613尺9寸(約186m)
明治25年9月竣功
です。
巻厚4層の煉瓦馬蹄型アーチ。
坑門はオール切石の冠木門タイプです。
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内部はオール煉瓦で遺されています。
いいですねえ。 |
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振り返り。
遠くに中山道の橋梁が見えます。 |
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内部は照明が設置されており、懐中電灯なしで
も入洞可能です。(照明は日中だけみたいです) |
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退避坑もばっちり。
「つららあり」は冬場の注意書きでしょうね。 |
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暖色ライトが良い雰囲気です。 |
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退避坑をもう一丁。 |
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熊ノ平側の坑口に出てきました。 |
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碓氷第一隧道の熊ノ平側坑口です。
こちらの坑門は笠石、帯石を除いて煉瓦仕様と
なっております。
両坑門で切石と煉瓦を分ける理由があるのでしょ
うか??? |
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引きでもう一丁。
よい雰囲気です。
で、第一隧道を出てすぐに「C7」があるはずなん
ですが… |
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…最終的に見つけましたが…
えええ?こんな状態!?もっと遊歩道が目の前
まで完備されているのかと思ってましたが、全くの
未整備です。
夏場だとこの有様です。この場所まで来るのでも
ガサガサしました… |
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…これが精いっぱいです。
コンクリ補修が痛々すぎる、「C7」
明細録では、
名無し8尺(約2.42m)
延長47尺4寸(約14.4m)
煉化石アーチ、明治25年4月竣功
です。
そう言えば、皆様通り名として「カルバート」で統
一されているのを忘れておりました。
ので、これは
(C7)
碓氷第7カルバート
という名称に致します。
先に発見の「C2」「C3」も同様カルバート名称に
変更致します。 |
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煉瓦が見えるのは坑門の両端だけ。
巻厚3層…?いや、1層削ってコンクリ巻きした
可能性もあります。 |
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うーむ…悲しいぐらいコンクリべったりです。
余程損傷が目立っていたのでしょうか。 |
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内部はもちろんオールコンクリ… |
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反対側を見ると…なるほど、コンクリ補修したくな
りますな、これでは…
煉瓦の損傷が著しいです。何故、ここまで…? |
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うーむ、なかなかですな。
逆にここまでなっても煉瓦アーチを遺していてくれ
たことに感謝ですな。 |
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軌道敷きから見るとこんな感じです。
…ああ、なるほど。もともと第7カルバートは整備
の一員に入れてなかったんですねえ。
で、この次にあるのは… |
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こちらはちゃんと案内がありました。
「碓氷第二橋梁」
「第一隧道、第二隧道間にある、煉瓦づくりのアー
チ橋、川底よりの高さ12.2m、長さ23.5m、明治時
代の2回の補強工事で径間が当初の7.3mから
3.9mに変更されました。高欄は撤去されています
が、ピラスターを備え補強工事前のアーチの上部に
は要石も埋め込まれていました。橋自体は直線橋
でしたが、線路は半径300mの曲線を描いていまし
た。現在はカルバート(径間4.6m以下)に分類され
ています。第一橋梁も煉瓦造りのアーチ橋(霧積
川)でしたが取り壊されており、煉瓦造りの橋台だ
けが現在も残っています。」
こんな所に碓氷第一橋梁のことも書かれておりま
した。やはり撤去ですよねえ。残念。
で!なんとこの碓氷第二橋梁も側面に降りる道
が整備されておりません。なんでや〜 |
何とか下流側に降りる事に成功。見上げると…
おおおおおおおおおおおお…これはまた何という…何と言う分厚い橋梁か…
私がこれまで見てきた煉瓦暗渠、橋梁のなかでもぶっちぎりの巨大さです。しかも第二は最大ではありません。なんてこった… |
煉瓦で補強しまくった結果、橋梁からカルバートに降格?してしまった碓氷第二橋梁。
しかしその重厚感がとんでもなくアップされました。 |
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ははははは…
笑うしかない圧倒的巻厚…
明細録では、
(B2)
碓氷第二橋梁
21尺4寸8分の3(約6.5m)
明治25年11月竣功
元来径間24尺ナルモ明治27年11月内部へ
巻添ヲ○シ為メニ21尺4寸8分ノ3トナレリ
一番最初が、24尺(約7.3m)だったようです。
最終的には約13尺(3.9m)にまで縮んで、カルバ
ートになってしまったようですな。
最初が要石付きで巻厚4層、1回目の改修でさら
に要石付きの4層巻きをプラス。ええいめんどくさい
とばかりに2回目の改修では要石はほっといて、
何と頭頂部で15.5層を巻き足しています。厳密に
は頭頂部、要石下の煉瓦4つは「七五」の煉瓦を
縦積みしています。その4つの煉瓦両端で最大15.5
層巻きです。
つまり、合計23.5層巻きとなっております。
どうすりゃいいんだ、この事実(笑) |
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友人の超望遠カメラの賜物。
要石2個、下部の煉瓦積みがよく分かります。 |
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端部の処理です。かなり無茶な状況ですな…
初代要石部分では4層巻きでしたが、迫受石に
は5層乗っています。元々一個分空いていたんで
しょうか???
1回目改修の4層は、1列が迫受石を挟む感じに
なっています。で、迫受石はなく、半円になるんで
しょうか?
2回目の改修では、1回目の改修までとライズ比
が異なる為に、頭頂部に行く程巻厚が増えます。
両端では巻厚10層、頭頂部で15.5層にまで膨れ
上がります。
ので、この橋梁の巻厚は18層〜23.5層巻きとい
うことになります。
それにしても2回目の迫受石のでかいこと。その
下に支える土台も後付けでしょうねえ。 |
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〜10月22日写真追加、加筆〜
よく見ると、開業時のアーチ環に竪積みが見られ
ます。
(カーソルオン)
こう見ると、開業時は元々4層で間違いなさそうな
雰囲気ですが… |
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〜10月22日写真追加、加筆〜
一方、改修1回目のアーチ環にも竪積みが見られ
ます。ちょっと変則的な竪積みですな。
(カーソルオン) |
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うーむ、ド迫力です。
改修ではわざわざ支保工を組んで行ったんでしょ
うねえ。往時の苦労が偲ばれます。 |
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上流側です。
こちらはやはり背は低くなりますな。 |
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ここまでやる必要があったのかは謎ですが、結果
的に古今未曽有の大肉厚の煉瓦橋梁が出来上が
りました。
いやあ堪能しました。
次回は碓氷第二隧道からスタート致します。
以降、 その4 に続く! |