旧近鉄伊賀線(仮)美旗新田トンネル



三重県 伊賀神戸駅−旧美旗新田間

中盤戦

  

 第二の人生を送る事のできなかった廃線跡。。。
 先ほどまであったくっきりとした轍はすっかりなくな
り、それどころか地面が全く見えないほどの藪にまみ
れております。
 幸い籔の背丈はなく、法面と路面の区切りが明確
です。
 それでは進軍開始!
 振り返れば、田んぼ地帯終了とともに、農道の役割
も終了しているのも分かります。
 倒木が横たわり、その先の視界も極めて不明瞭。
 人間の手が入らなくなると、こんなにも自然は元の
姿に急速に戻っていくものなのか。。。
 そうかと思えば、不毛地帯も存在します。
 周囲の植物の背が高く、籔が育たないようです。
 路面幅がはっきりと見て取れます。
 むむ。。。

 水っ気も結構出てきます。
 万年日陰で、乾かず湿地帯のようになってきている
ようです。
 。。。歩く場所に困ります。。。
 長靴ではないので、なるべく湿地っていない部分
を踏んで進みます。。。
 このあたりはしっかり法面施工されています。
 綺麗な玉石積みで、廃線となって久しくも、しっかり
山肌を支えています。
 また乾いた景色に変わります。
 周囲の状況により、その路面の姿は千変万化
です。
 これは。。。自然の力をまざまざと見せ付ける有様
です。
 上の木が巨木化し、耐え切れずに法面の玉石積み
が崩れています。
 すごいパワーだ。。。
 。。。。。。。。。。。

 先の状況があまりよろしくない感じがしてきました。
 籔の背丈が。。。
 籔が。。。やばい。。。

 ここまで200〜300m進んできました。それなり
に進みやすい状況でありましたが、ここにきて猛烈
な背丈以上の籔が視線の先に聳えています。
 なぜ。。。
 同好者もここで断念しているのでしょうか、先に
進めば進むほどとんでもない籔です。。。
 こ、これは無理!
 ぶはっ。。。

 5分後、少し開けた路面右側の隙間から脱出しま
した。
 路面トレースは完全ムリムリです。
 写真は脱出場所を振り返り撮影です。目の前の
緑の塊から出てきました。。。
 右手の景色です。当初見た田園風景が何事もなく
広がっています。
 しかしながら廃線跡は左手激籔の中。。。
さあ、どうしよう。。。
 廃線跡に沿うように休耕田を歩いていると、見つけ
た暗渠。
 もう籔が凄すぎで、周りがどうなってるのかさっぱり
分かりません。
 しかし、その先で突然視界が開けました。
 刈り払いがされているようで、築堤の姿をはっきり
と捉えることができます。
 電柱も建ってるしなあ。
 築堤に上り、振り返り。
 まっすぐ戻れば、あの猛然とした籔に突っ込むこと
になります。
 先に進みます。
 ここらは、当初の轍くっきり農道とまではいきません
が、それでも路面幅をある程度維持しているように
感じます。
 危うい。。。今にも籔に飲み込まれそうになる軌道
跡。。。
 祈るように先に進みます。

 トンネルはまだか。。。
 むむむう。。。だめかも。。。

 またも覆い尽くそうとする籔の何と濃いことか。。。
 
 ふと、右側を見ますと、ご覧のような側溝?のよう
な溝が軌道跡と平行に続いているのを発見しまし
た。
 なんだこりゃ?と思いつつも、籔がなく、乾いても
いるため、この側溝を利用して距離を稼ぎます。
 いろんな謎が続きます。。。
 先の側溝は50mほどで、軌道跡にぶつかって
消滅してしまいました。
 そこからの軌道跡は最もやっかいな群生笹薮で、
1歩も前に籔漕ぎできない超密ぶりです。
 
 ところが、そこには恐るべき穴が開けられていま
した。。。
 まるでトンネルのように笹薮を穿った痕跡が
はっきりと残されています。
 怪訝に思いつつも、助かった!という気持ちの
方が強く、早速利用させてもらいました。

 
 くぐって振り返り。
 どうやって開けたのか分かりませんが、凄まじい
根性です。
 おかげで助かりました。
 。。。オワタス。。。

 折角トンネルをこしらえてもらってたのに、そっか
ら先はなんもなし???なんで?

 呆然と立ち尽くし、前進は断念。
 また脇に流れる手段をとります。

 今回は左に空間が見えそうだったので、そちらに
流れました。そう。。。獣のように這いつくばって。。。
 。。。数分後。。。またも軌道跡より脱出。。。

 やけに開けた平地、奥に屋根が見えます。
 むお!!!

 屋根のある方向に誘われるようにやってきた先に
は、おいしそうなモノが!

 これは架道橋か?
 しかも上道路下水路と完全セパレートタイプで
す。こいつは珍しい。

 ネットでこのトンネルについても事前に見てまし
たが、やっぱりいい!
 コンクリート製で、材質には特徴を感じません。
 が、両脇に石柱(ピラスター)のようなでっぱりが
施されています。
 下部の水路トンネルと同時期に造られたとすれ
ば、結構気合の入った物件ではないでしょうか。
 内部です。
 コンクリアーチで、路面はすぐ下が水路なので、
橋のような感覚です。
 振り返り。
 先の屋根は、ビニールハウスなども備えた農園
の施設のようです。
 反対側。こちらが、一般道に復帰できる道筋だと
思われます。
 どちらの道も、直後に出てくる水路に阻まれ、左
や右に逸れなければなりません。こういう実情が
あるから、こういった造りは少ないんだと思います。
 反対側坑口。
 こちらもピラスターの存在が目を引きます。
 どちら側にも扁額はなく、銘板も存在しませんでし
た。
 道路側の立場からすると、本当に邪魔な水路
アーチです。もう少し延伸したらスムーズだったよう
な気がしますが。。。
 さあ、充分堪能したので、次に進みます。
 丁度、農園側のトンネル坑口左手に、このような
築堤上の軌道跡に上っていく道を見つけました。

 さあ、意外と長い進軍となっておりますが、そろそ
ろ目標のブツと対面したいものですが。。。

 以降、
後半戦 に続く!