近鉄大阪線青山廃線跡トンネル



三重県 伊賀上津駅−温泉口駅間


その13

 

 宮下トンネルを後にし、今来た道を戻りま
す。
 地図では道表記がありますが、ご覧のよ
うに枯れススキまみれです。夏場は相当に
鬱陶しい籔となっていることでしょう。
 鉄塔を避けて轍があるように見えます。
 一応道たる所以でしょうか。
 を!現行トンネルが居ます。
 あれは「新北山トンネル」ですねえ。
 銘板によると、延長は55mだそうです。

 で、当然旧北山トンネルが存在するはず
なのですが、すぐ左手は車道跡のような道
が斜面を登り、左に曲がっていってます。

 よって、真横に旧トンネルの姿がありませ
ん。。。?
 ここでちょっと迷いました。10数分探し回り
ようやく。。。
 発見!
 なんとこの旧トンネル、新北山トンネルと
は、ある場所が違いました。
 簡単に見つからないわけです。
 場所はこの辺だったと思います。
 すでに「新三軒家トンネル」のテリトリーに
入っています。
 左側の川に「橋?」表記があるのが確認
できます。そこと旧宮下トンネルを結ぶと、
旧線のルートを見出すことができると思い
ます。
 
 小奇麗な「82」のキロポストとともに残る北山トンネル。
 延長はそれ程長くなく、土被りも少ないです。
 西側坑口。。。なんだか斜坑になっていま
すねえ。アーチ環部分のみの坑門となって
います。
 綺麗に洞内が残っています。バラストは
全て取り除かれているようですねえ。
 内部側壁はコンクリートブロックを使用して
いるんでしょうか?
 
 西側坑口より。
 春先の陽光が眩しい!
 東側坑口付近は。。。ぐをっ!投棄物で
一杯です。。。
 紀勢本線の旧トンネルにもこういう惨状を
見かけたなあ。。。
 トンネル出て迂回などという発想はなく、
ゴミの山を無理矢理乗り越えます。
 思っている以上に危険なのでおすすめ
できません。。。
 無事乗り越え完了!
 東側坑口に辿り着きました。
 東側坑口からの廃景です。
 深い擁壁に挟まれた、1つ分の線路幅の
軌道跡。この時期に来てヨカッタ〜

 をををを。。。
 なんだかすごい有様です。。。
 ゴミの土砂が右手斜面から滑り落ちています。冬枯れの木々と相まって廃景が一層際立っています。
 掘割を少し東に進みますとすぐに次のトン
ネルが姿を現します。
 何度も言いますが、冬に来て本当に良かっ
たあ〜
 西側坑口に辿り着きました。
 その名も「谷奥トンネル」
 。。。?現行トンネルにはない名前が出て
きました。
 それもそのはず、伊賀上津駅すぐ東側の
現行トンネルは3本に対して、旧トンネルは
4本ですから1本多いのです。
 場所はこのあたりかと。。。
 谷奥トンネル西側坑口より西方の廃景。
 うっすらと北山トンネルが見える気がしま
す。
 谷奥トンネルには扉がついています。高
延長のトンネルには付くようですねえ。
 谷奥トンネル内部より西方を望む。。。
 東側の高延長のトンネル群を思い起こされ
ますねえ。
 おおお。。。
 また出てきました、出口の見えないトンネ
ルが。。。
 意外な高延長です。
 時折路面の真ん中に開いている穴には
水の流れがありました。
 水路としては今も現役のようですねえ。
 おっ、明かりが少し見える気がします。
 どうやらトンネルは右にカーブしているよう
です。
 おやあ?電灯?
 笠付きの白熱電球が付いてます。トンネル
に白熱電球っすか?
 現役当時からあるものなんでしょうか。。。

 (カーソルオン)でスポット当てます。
 退避坑がありました。
 長めの延長を裏付けますねえ。
 なんやかんやで東側坑口に到着です。
 延長は。。。うーん、はっきりしません。
300mくらいあったかなあ。。。
 東側より振り返り。
 やっぱり光は届いておりませぬ。
 廃線に残る配線の跡。。。
 ブレーカーみたいなのも付いています。

 冬場でもエラい有様の谷奥トンネル東側坑口。。。
 植生の活発な時期はとても来られたもんじゃあありませんなあ。
 その谷奥トンネルと目と鼻の先には。。。
 すでにもう一本トンネルが口を開けていま
すよ!
 コンクリ積みの擁壁に切り込みあり。
 下部の水路に伴う仕様でしょうかねえ。
 さあ、長かった青山廃線跡、最後の10本
目!
 名前は「三軒家トンネル」
 こちらは現行路線に新三軒家トンネルが
存在し、延長は805.0mだそうです。
 北山、谷奥、三軒家の3トンネルと掘割
区間を足したものが、新三軒家トンネルと
同じ延長になると思われます。
 場所はこの辺りと思われます。

 お気に入りの掘割の景
 それは、谷奥、三軒家両トンネルを繋ぐ50m足らずの掘割区間です。
 冬場なればこそ実現できた撮影です。
 三軒家トンネル、こちらも先が見通せま
せんなあ。
 三軒家トンネル西側坑口より。
 よく見たら隣の谷奥トンネルが見えてい
ます。
 真っ暗闇の三軒家トンネル。どうもこの
トンネルは左にカーブしている模様です。
 ちょっと変わった退避坑です。
 支保工が真ん中を貫いてますねえ。
 ついに最後の坑口の姿が見えて参りま
した!
 な、長かった。。。
 三軒家トンネル東側坑口に到着!
 フェンスが閉じているように見えましたが、
開きました。
 三軒家トンネル東側坑口から出てみます
と。。。
 巨大な鉄塔がどどん、と真ん中に陣取って
います。

 青山廃線跡トンネル群、最後の10本目の勇姿。
 大阪から奈良、三重に至る壮大な畿央横断路線の最難関地点に残る10本の廃トンネルたち。
 ここまで来れた感慨も一入です。
 右手に現行新三軒家トンネルの東側坑口
が見えました。
 ついに現行路線と合流するようです。

 旧路線の方がやや上を走っていますが、眼前を橋梁で渡った後に合流する線形となっています。
 往時はこの先に橋梁があったのかも知れません。

 長かった三重青山廃線跡探索、将軍青山トンネルを筆頭とする総勢10本のトンネルたちを完抜けにより。。。

 
        目標達成!