(仮)円通律寺トンネル


高野山森林鉄道(和歌山県)


再訪篇

  


                           2016年11月再訪

 
 2016年11月、湯川トンネルの再再訪を果たして
やってきた2件目、(仮)円通律寺トンネル。
 ここも初訪問は2009年2月と、およそ7年の時を
経ての再訪です。
 ここは(仮)円通律寺トンネルの真上を走る林道
です。真っ直ぐは大滝へ、後は轆轤峠、そして
左に500m降りれば修行寺院で拝観できない円通
律寺で、こちらに向かうとトンネルの東側坑口への
アプローチが可能です。西側は非常に分かりにくい
場所ですが、道は一応なくはないです。
 取り敢えず東側坑口に向かう事にし、円通律寺
方面に降ります。
こちらが円通律寺。円通寺とありますが、「律」は
寺号のようです。
 ここを素通りします。
 …むむむ!?なんだこの新しい道は!???
 前はこんなんぢゃなかったのに〜???
  いつのまにやら新しい道ができてます。
 なんてこった…7年前はここまで車で来るのも
ずっと未舗装の道だったのに…
 ロールオーバーで偶然同じアングルから撮って
おりましたので、比較をどうぞ。
 
 どうやら大きな幹線道路が出来た模様です。
ここはそこに繋がる脇道ということになってますな。
   振り返り。
 7年前の脇道、円通律寺方面です。以前はこちら
の道がメインでした。
 脇道から向かって左。すっかり様変わりしてしま
いましたね〜
 7年前はあちらから向かってきて右折して脇道に
入るのがダートながら一応メインルートでした。
 ロールオーバーで7年前の画像をどうぞ。
 で、メインルートから外れていた脇道から向かっ
て右は…

 
   おおおお…トンネルができてる!!!
 そう、この道は国道480号、高野山道路です。
2015年(平成27年)3月28日に全線供用しており
ました。
 まさかこんな所を通っていたとは…。7年前には
微塵も感じなかった姿です。
 7年前の写真を見てもなんのこっちゃ分かりませ
んねえ。

 
 高野山道路新トンネルのうちの一つ、大滝口
トンネル。既に関西トンネル集には収録済みです。
 ここから振り返ると…
 このようなガードレールでなかったことにされて
いる道が一本…
 ブルーシートのある方向に続いています。
 そう!これこそが(仮)円通律寺トンネルに向かう
軌道跡になります。
 よくぞ残っていてくれました!
 この路線に関する情報が、がたろうさんの
「いんちみち」で詳しくレポされていますので、
そちらも是非ご参考下さい。
   おおお…綺麗に残る道筋…
 この辺りだけで言えば、7年前に比べて格段に
アプローチしやすくなっておりました。
   振り返り。軌道跡はバイパスにより分断され
てしまいました。
 安心したのも束の間。ありゃ!?道が削れて
る!???
   なんと曲り途中の軌道跡がズバッと真っ直ぐ
に整形されておりました。
 右上が軌道跡です。
 それがざっくり切り取られ、真っすぐの道になって
おりました。
 どうやら林業用として新たに道が付け替えられ
た模様です。この道は7年前アテンザ君を停めてい
た所に繋がっているようです。
 以前は完全に廃道でしたが、まさか7年の時を
経て息を吹き返すとは思ってもみませんでした。
 このまま隧道まで向かっているのか!?
 順調に伸びる作業道。
 ここをかつては林鉄が通っていたとは…
 俄かには信じられません。
 そうそう、ここで林鉄は大きく右に曲がって…
 って、むむむ!?なんか雲行きが怪しい…

 ここで7年前の画像もどうぞ。
 
 
 やはり…
 林鉄路線は弧を描きつつ写真奥に進んで行く
のですが、作業道開設はそちらに進んでおりませ
ぬ…
 新しい作業道は林鉄跡と袂を分かち、谷筋を
駆け上がっていきます。
 うーむ…残念なのか、これで良かったのか…

 
 新規作業道から振り返り。
 青が新規作業道。赤が林鉄の軌道跡です。
 完全にお別れすることとなりました。

 
 元の廃の静寂さを取り戻した林鉄跡。
 なんだか安心しますね。
 …といいつつ、何か伐採の跡が見られます。
 作業員の通路としては機能しているんでしょう
か。
 その作業道ぽい状態もいつしか失われ、やはり
いつもの寂れた雰囲気に戻ります。
 ここで途中経過。

 @今回のスタート地点の林道。
 A円通律寺の門前。
 B高野山道路との合流地点。
 C高野山道路からの分岐(林鉄跡)
 D林道開削との合流点。
 E林道開削との分岐点
 F現在地

 となっています。

 こうしてみると、Bから円通律寺方面に少し
入った場所の空き地に車停めた方が良かった
っすね(笑)まさかこんなことになってるとは思い
ませんでした。
 まあでも、この後西側にもアプローチしますから
ね。
 前回の記憶が蘇ります。
 ここは路盤が消失しているところで、前回はかな
り不安になりました。
 上の地図ではもう谷筋は一か所しかありません。
 ので、真っすぐ行けば隧道想定地に辿りつける
はず!と前回は期待してこの箇所にやってきた
んですが…
 前回のレポではスルーしてますが、ここがその
谷筋だと思って、この間伐材の山の中を探しまく
りました。
 しかしここは地図で言う最奥の谷筋ではなく、
地図には現れない手前の小さな谷筋でありまし
た。
 小さな谷筋を越えて振り返り。
 ここはダミーでした。本当の谷筋はまだ先です。
 そうそう、ここここ!
 この間伐材まみれの広大な空間。
 これが谷筋最深部の合図です。
 谷筋最深部に…もう見えてきました。
 ここも駅になっていて、伐出作業が行われてい
たのではないでしょうか。
 7年前と見る位置が少し左右にズレますが、
隧道との距離は同じぐらいです。
 ねえ、見え方が全然違います。何故でしょう?
 倒木が朽ちていった末でしょうか。

 

 ものっすごい綺麗になっとる!!!
 これ、明らかに人の手が入ってませんか???
 7年前とはえらい違いです。
 
 (仮)円通律寺トンネル
 正式名称はないのかもしれません。
 兎にも角にも7年の時を経て再会です。
 よくぞ無事に居てくれました!

 
 左上からの水の滴りが相変わらずです。
 岩盤に穿たれた漆黒の穴…
 往時の血と汗と涙の結晶です。
 振り返り。
 かなり見通しがきく状態になっておりました。
 内部です。
 入り口は瓦礫がありますが、内部は安定している
模様です。
 そして!対岸の光が見えてますね〜
 入り口付近のみ木枠の支保工を設けていたよう
ですね。
 しかしながら上部は跡形も無く崩壊してしまった
模様です。
 内部から振り返り。
 側壁部分の支保工の状況がある程度分かります
ね。
 反対側の側壁支保工跡。
 上部のメインの横木がちゃんと乗っかってます
ね。
 おおお!かなり状態がいいです。
 前回は貧弱なライトのみでしたので、恐怖しか
ありませんでしたが、ライトのパワーアップと経験
を経たせいか、非常に安心感があります(個人比)
 振り返り。
 支保工をしていた部分のみ崩落があったようで
すね…。まあ、そういう箇所だから支保工をしたん